2009年のコラム一覧

冨田和弘が斬る!建築ビジュアライゼーション業界

第7回:これからの建築ビジュアライゼーション(その2)

前回に引き続き、「これからの建築ビジュアライゼーション」のその2として、ビジュアライゼーションに求められる変化についてお話しをしたいと思います。

前回BIMというキーワードを提示しておきましたが、「Change」という言葉でお話しした宿題の回答は出ましたか?本コラムのVol.1Vol.2辺りが参考になったかも知れませんがいかがでしたでしょうか。これから私が最近の業界動向や業務から感じ取っている回答もどきを順序立ててお話ししたいと思います。


3D CAD(BIM)を導入し始めた設計者の変化

建築ビジュアライゼーションの世界に身を置いていても、BIMという言葉やその内容に関しては、「知っている」又は「耳にしている」人が大半だと思います。もしBIMという言葉にピンと来ない人がいたら、今後は自分の業務の範疇内の言葉として、その内容と今後の動向は必ずチェックして下さい。BIMを理解しているか否かは、今後の建築ビジュアライゼーション業界で生きていけるか否かの死活問題となりますので心してBIMに取り組んで下さい。

ちょっと横道に逸れてしまいましたが、ここからが本題。これまではBIM(正確には3D CAD)によって建築ビジュアライゼーションの世界が変わるというお話しをしてきたと思いますが、実はBIMの渦中にいる設計者自身のビジュアライゼーションに対する発想が少し変わってきています。

設計者の発想する端的なビジュアライゼーションとしてパースがありますが、これまではパース制作者に描かせるものだったのが、自分たちでも描けるものだという考えに変化しつつあります。この変化は至極当然で、BIMによって早い段階から3Dモデルが自動的に生成されるのですから、シェーディングレベルの簡単なパースであれば設計者でも無理なくおこせてしまいます。Revitに至ってはmental rayを使って一定品質レベルのレンダリングを簡便に実現してしまっています。これを知った設計者達は自分たちでパースを描くことに抵抗がなくなり、むしろ積極的にパースを描こうとする人たちも出てきています。更にはBIMを推奨する部隊が簡易アニメーションまで作って設計者をサポートしだしています。

この事は建築ビジュアライゼーションで生業を立てている者にとっては由々しき事態です!単純に業務量が減少してしまうことを意味しますから。更には前回お話ししたインハウス化がパース発注量の減少化を加速させています。この状況に対して他力本願で恐々として指を加えていても事態は好転しません。例え景気が回復したとしても好転するとは必ずしも言えない状況であることを前回お話ししました。しかし私は逆にこれをチャンスと捕らえています。勿論、正攻法でこの問題にぶつかっていっても太刀打ちは難しいでしょう。となればちょっと側面から問題を捕らえ直して、斜めからこの問題に取り組んでみたらどうなるでしょうか。

第7回:これからの建築ビジュアライゼーション(その2)の続きを読む

ATA企画のmental rayビジュアライゼーションテクニック

第8回:クオリティアップ術Vol.2

こんにちはATA企画の多田です。
早いもので今回で第8回になります。これまでインテリアCGを仕上げてきました。

クオリティアップ術Vol.1では
・イメージ精度(サンプリング)の品質
・各マテリアルの品質調整
・マテリアルの拡張効果
--アンビエントオクルージョン
--ラウンドコーナー

を説明しましたが、今回は仕上げとして、添景の配置、モーションブラー追加で動きを出す、ライティング調整、被写界深度をやっていき、更にクオリティを上げていきましょう。



1. 添景の配置
現在の状態では部屋に何も配置していないので、どことなく寂しい感じがします。
また、対比する物が無いのでスケール感もよくわかりません。

img

第8回:クオリティアップ術Vol.2の続きを読む

fieldjamのDesignVizエッセンス

第6回:Revit Architecture 2010 と3ds Max Design 2010の連携

最新版での検証が必要だったために、前回からかなり時間が経ってしまい申し訳ありません。
早速ですが、Revit Architecture 2010 と 3ds Max Design 2010で使用できるフォーマットについてまとめます。前回お話したように、マテリアルとオブジェクトの関係が壊れないことが最低条件です。

作業環境について、どちらのソフトも最新のアップデートを適用していることが条件です。また、3ds Max の[カスタマイズ]メニュー→[カスタムUI と既定値の切り替え...]でツールオプションをデフォルトの[DesignVIZ.mentalray]で使用しています。
ポイント DWG FBX
マテリアル Architecturalマテリアルとして読み込まれる ProMaterials として読み込まれる
タイプ別にマテリアルが分かれている
現状は3ds Maxへの読込時に日本語のマテリアル名が文字化けする
オブジェクト構成 入力時オプション
設定可能
Revitの要素に分かれている
オプション設定不可
レイヤー Revitの出力設定のレイヤに分かれている 未対応
リンク機能 DWGリンク なし
その他 UV情報が正確にコンバートされない カテゴリ、ファミリ、タイプ、レベルの情報も各オブジェクトに付随している


第6回:Revit Architecture 2010 と3ds Max Design 2010の連携の続きを読む

冨田和弘が斬る!建築ビジュアライゼーション業界

第6回:これからの建築ビジュアライゼーション

建築ビジュアライゼーションを生業としている方に質問ですが、1年前と比べて仕事に変化が出てきていませんか。

どの様な答えが頭に巡りましたか?「仕事が少なくなった」「単価が安くなった」等が回答のトップを占めるのではないかと思われますが、もう少し子細に考えてみて下さい。

・仕事が減少していると感じるクライアントの業種は?
(ゼネンコン or 組織事務所 or 小規模事務所 or デベロッパー or 不動産...)
・どんなプロジェクトが減少しているか?(プロポーザル or コンペ or 広告...)
・どんな建物種別の仕事が減っているか?(事務所ビル or マンション or 住宅...)
・どの様な仕事の単価が下がってきているか?(上記の例全て)
・何故そのような状況に陥っているのか?


この辺を分析していくと建築ビジュアライゼーションの現状が垣間見え、それによってこれからどう進んで,どう変化していくのかが見えてくると思います。今回は最近の建設業界の動向を踏まえた上で私が感じているクライアントの業態変化とそれに伴うニーズの変化、更にはこれらの変化によってこれまでと変わっていく建築ビジュアライゼーションについてお話ししたいと思います。それではまず建築ビジュアライゼーション業務が活況を呈すか否かを占う建設業の動向をお話ししましょう。
第6回:これからの建築ビジュアライゼーションの続きを読む

PERCH長尾の知っ得!デザインビズ必読ポイント!

第8回:AU Japan 2009予告 セッションの一部をご紹介!

こんにちは、パーチ長尾です。

11/12(木)に開催される Autodesk University Japan 2009(http://www.myautodesk.jp/auj09/) で、【カメラ(実写撮影のノウハウを取り込んで3DCGの品質を上げる)】と【プレゼンテーション(人生を変えるスキル)】について講座を行うことになりました。
これは【クリエイティブ力向上】と【クリエイターとして生きていくために重要な要素】だと思うんです。
このコラムを読んでくれている方にぜひ知ってもらいたいので、今回のコラムでその一部を紹介しますね。


「僕らはこの100年実写を見続けてきた」

変なタイトルですね。カメラが生まれて100年以上経ちました。その間、写真、映画、テレビなどで僕らは【実写撮影された物】を見続けてきました。だから僕らの目は【実写撮影】に慣れていて、それを【自然だ】と感じるようになっているんです。
たとえばこんな面白いことができるんですよ。デッサンや絵を見て、それが写真をもとに描かれた物か、本物を観察しながら描かれた物か判断できるようになるんです。その秘密は、実写撮影された時のレンズの変形や歪み/明るさの圧縮(カメラは人間の目よりも狭い範囲でしか光をとらえることができません、このことをラチテュードと呼びます)があるので、それを見分ければいいんです。

3DCGの利用法の多くは、【実写の置き換え】です。
映画では実写との合成、デザインビジュアライゼーションでは製品撮影の代わりに利用されています。
よく「フォトリアル」という言葉が使われますが、これを実現するには、マテリアルの設定/レンダラーの設定だけではなく、【カメラ特性を理解して実写カメラマンと同様に使いこなす】ことが必要になるんです。
昔からプロが使うカメラを購入することはできました、しかしプロ並みの映像は作り出せません。これは3DCGという道具を使いこなすことはできても、表現ノウハウを身につけるのは別であることに似ていますね。そして実写撮影技法はこの100年間を通じて練りに練られてきました。その技法は、ゲームでも映画でもデザインビジュアライゼーションでも、活用することができます。

実は、海外のアートスクールでは【実写撮影技法】を学んでいます。一方日本の3DCGのスクールでこれを学んでいると聞くことはほとんどありません。もちろんこれだけではありませんが、表現面で差がつく要因の一つであると言えると思います。
第8回:AU Japan 2009予告 セッションの一部をご紹介!の続きを読む

PERCH長尾の知っ得!デザインビズ必読ポイント!

第7回:製造メーカーにおける広報宣伝用ビジュアル制作の3DCG化

こんにちは、パーチ長尾です。

今回はいまトレンドになっている「製造メーカーにおける広報宣伝用ビジュアル制作の3DCG化」について、お伝えします。

以前このコラムの第3回(Autodesk Solution Day 2009のレポート)でも取り上げたことがありますが、いま広報宣伝活動用ビジュアルを製造メーカー内部で作る企業さんが増えています。
あのイベント以来、私のところにも製造メーカーの広報宣伝担当者の方から立て続けにご相談をいただいていて、この傾向は強くなっているようです。

では、具体的にどのようなメリットや背景があって、3DCGが必要とされているのでしょうか。
今回はその実情を知るのにちょうどいいイベントが近々開催されることもあり、コラムの予定を変更して、ご紹介していきたいと思います。



広報宣伝担当者が「3DCGを利用したい」と思う理由は大きく見て2つあります。

3DCG導入メリット1:販促物制作の前倒しができる(スケジュールの遅れを取り戻す)
消費者のニーズが多様化し商品ライフサイクルが短くなった現代では、新商品の開発が次々と行われています。そのため商品開発の現場はいつもスケジュールが押していて、「撮影をしたいときに撮影用モックアップが間に合わず、充分な販促活動ができない」というのは大きな問題でした。

そこでCADデータを利用して3DCGビジュアルを作るという手法を取ると、モックアップを制作する必要が無くなり、その分、早く写真が出来上がるようになりました。その結果、競合他社に先駆けて、「スペシャルサイト」や「製品発表会」で商品を紹介するということも可能になりました。


第7回:製造メーカーにおける広報宣伝用ビジュアル制作の3DCG化の続きを読む

ATA企画のmental rayビジュアライゼーションテクニック

第7回:マテリアルのチューンナップ

第3回目のコラムで、Arch&Designマテリアル・ProMaterialsを使って簡単にインテリアシーンを作成する方法をご紹介したわけですが、それらのマテリアルにちょっとした調整を加えることによってクオリティをアップしていくことができます。
これらは必ずしも必要な作業ではありませんが、適切な設定を理解することによってクオリティのアップだけではなくレンダリング時間の短縮にも繋がります。


1.ProMaterialsの調整
それではProMaterialsの内部に入り込み効果的な部分をいくつかコントロールしていきます。今回はPlastic/Vinylを例にとり各ProMaterials共通のコントロール部分に触れていきます。

ProMaterialsとは
ProMaterialsは、建築、設計、環境に頻繁に使用されるマテリアルをモデル化するmental rayマテリアルです。ProMaterialsはAutodesk Revitマテリアルに対応しているため、Autodesk Revitも使用する場合はサーフェスおよびマテリアルの情報を共有できます。
ProMaterialsはArch&Designマテリアルに基づいています。Arch&Designマテリアルと同様に、物理的に正確なフォトメトリックライトや現実世界の単位でモデル化されたジオメトリとともに使用すると最も効果を発揮します。一方、各ProMaterialのインタフェースはArch&Designマテリアルのインタフェースに比べて非常にシンプルで、比較的簡単にリアルで物理的に正確な結果を得ることができます。


1-1.反射光沢サンプル・屈折光沢サンプル
Promaterialsのパフォーマンス調整パラメータ内にある反射光沢をサンプル・屈折光沢サンプル使用して、ProMaterialが実行する計算の量を制限しパフォーマンスを調整していきます。


マテリアルパラメータ パフォーマンス調整

第7回:マテリアルのチューンナップの続きを読む

PERCH長尾の知っ得!デザインビズ必読ポイント!

第6回:3DCGビジネス導入の流れ

こんにちは、パーチ長尾です。

前回は「どうやったら『CAD』から『魅力的な広報宣伝用ビジュアル』ができるのか」が分かるように、3DCGビジュアル(製品基本カット)の一般的な制作工程についてお伝えしました。

3DCGデータはWebやテクニカルムービー、カタログなど様々な媒体に流用できるので、ビジネスチャンスがたくさんあります。そのため印刷会社さんを始め、写真プロダクションさん、建築系CG制作会社さんなど、色々な職種の制作会社さんが参入されています。

では、それぞれの会社はどのような経緯でこのビジネスを始めて、どんなふうに導入を進めていったのでしょう。今回は2つの事例を見てみたいと思います。

「3DCGビジネス導入の流れ」<印刷会社A社さんの場合>

ービジネス導入を決めた経緯ー
・昨今ではこれまでの差別化要因だった「Web、デザイン、高品質、画像処理」ができる印刷会社はいくつもあって、最終的には「価格」で受注が決まるようなことが多く、新たな差別化要因が早急に必要だった。
・「3DCGサービスをきっかけにして仕事を増やしている」という競合の話を聞いたので、取引先に3DCGの利用意志があるか聞いてみたところ、好印象だったので導入を決めた。広告主にとって3DCGを利用するメリットがたくさんあったので、ほかの取引先でも受注できるだろうと予測した。

ービジネス初期の問題点ー
・競合のほうが仕上がりが良く、自分たちは営業面でも人材面でも遅れていたこと。

ー解決策ー
・画づくりに関してはライティングがうまくできなかったので、レッスン料を払って外部カメラマンに指導を受け、徐々に写真品質に近づけていった。
・営業面は、事例が増えるにつれて力がついていった。
・優秀な人材を入れるために専門のコンサルタントに相談した。

01_design-viz-garage.jpg
第6回:3DCGビジネス導入の流れの続きを読む

冨田和弘が斬る!建築ビジュアライゼーション業界

第5回:建築CGパースに求められるもの<その2>

前回は「建築CGパースに求められるもの」として、最初のステップであり大きな山場でもある初回打合せでの留意点をお話ししました。案外簡単に済ませてしまいがちな打合せがその後の制作にいかに影響が大きいかを理解していただけたんじゃないでしょうか。

今回は「建築CGパースに求められるもの 2」として,前回に引き続き制作段階で留意すべき点をお話ししたいと思います。


制作STEP

皆さんはパースを制作する際の手順というもをどの様にして身につけましたか。大体は自然に身についていると思いますが、その制作手順は狙い通りの建築パースを描くために自分なりに考え抜いたものだと自信を持って言えますか?案外学校で習った手順だったり、入った会社の制作手順が自分にとってのスタンダードになっていませんか。または他の人はどうしてるんだろう?と周囲の人に制作手順を聞いてみたりした事がありますか。

前回同様多くのクライアントを抱え、仕事も潤沢で修正等も少ない方は自分に合った制作スタイルが確立できていると思って間違いないので、この後の内容は軽く流し読みしてもらって結構です。このご時世、仕事が減ってきた、来ても値切られてしまうとお困りの方は以降の内容を参考にされるのも一考です。

01_dome.jpg
燕市市庁舎コンペ案
設計:ラウムアソシエイツ一級建築士事務所
さて私の制作手順は
1)モデリング
2)アングル決定
3)ライティング
4)質感設定&レンダリング
5)レタッチ
という流れで、3と4は行ったり来たりしながらレタッチまで持って行きます。ここまで読んで、ん?自分と同じ(大して変わらない)じゃないか!とお思いの方がいると思いますが、具体的に各STEPの中身をお話ししていくと、少しずつ皆さんとの違いが出てくるのではと思います。

前置きはこのくらいで各STEP毎の考え方をお話ししたいと思います。(レタッチは文章での説明が非常に難しいので割愛させていただきます)


第5回:建築CGパースに求められるもの<その2>の続きを読む

ATA企画のmental rayビジュアライゼーションテクニック

第6回:クオリティアップ術 Vol.1

前回まででマテリアル設定、ライティング設定と一通り完了しました。
なかなか高品質な画像が出来たと思いますが、今回から更にクオリティをあげていく方法を説明していきたいと思います。
この部分が皆さん気になる部分の一つだと思いますので、じっくりと数回に別けて説明させて頂きます。


まず、クオリティアップといっても色々な方法があります。

・モデリングを詳細まで表現していく
・高品質なマテリアル素材を作り張り込む
・ライティングを納得いくまで調整する
・小物や植栽など添景もこだわる

など、納得いくクオリティの作品を作成するには経験と時間を必要とします。
例えばマテリアルでは日ごろからデジタルカメラを持ち歩き、素材を集めることが非常に大切です。市販されているマテリアルはシームレス加工(つなぎ目を綺麗に合わせ繰り返しを目立たさなくする加工)などが施されいて使いやすいですが、更に上をくクオリティを目指為には素材集めが非常に重要になります。自分で集めた素材だからこそ、製作中に頭の中で思い描いたシーンに最も適した素材を選ぶことができると思います。

ライティングでは、ただ単に図面どおりにライトを配置してもCGイメージとしてのクオリティアップにはなりません。カメラ位置によってもそれぞれ異なったライティングを必要とします。
各カメラに対してのベストなライティングを設定していかないと、より良いイメージは完成しません。
つまり各ライトの強度調整や補助光なども加えて、全体のバランスを何度も調整していく必要があります。実世界の光の動きを普段からよく観察しておくことも大切です。


今回のクオリティアップ術としては、そういった経験と時間のかかる作業ではなく、mental rayの各種設定を調整や機能を利用することによるクオリティアップを目指します。

では、どのような設定方法や機能があるでしょう。

1.イメージ精度(サンプリング)の品質
2.各マテリアルの品質調整
3.ファイナルギャザー精度
4.マテリアルの拡張効果
--アンビエントオクルージョン
--ラウンドコーナー
5. ライトの調整
6. 小物の配置、モーションブラー追加で動きを出す

これらの項目を調整していくだけでも、イメージのクオリティがあがります。
前置きが長くなりましたが、実際の作業に入っていきましょう。

第6回:クオリティアップ術 Vol.1の続きを読む

fieldjamのDesignVizエッセンス

第5回:データコンバートについて

今回からは、BIMソフトなどの建築CADからのデータコンバートについてお話します。
製造業のDesignVizに携わっている方、ご苦労をお察ししますが、残念ながら私の専門外なので取り上げることができないことをご容赦ください。

最初に、データコンバートが必要な状況を考えてみましょう。
3ds Maxを使用している一般的なCGパース制作者は、ほぼ全ての作業を3ds Max上で行っていると思います。一方、Revit ArchitectureなどのBIM ソフトを用いているゼネコンや設計事務所でのCG制作は、そのソフトでのレンダリング結果を使用していることが多いのではないでしょうか。いまのところ、DesignVizとBIMそれぞれの業務は独立しているため、データコンバートは必要ないように思われますが、今後の両者の関係を考えた場合は無視できないポイントになります。CG制作者にとっては、BIMソフトで入力したモデルを受け取って、3ds Maxで編集し、レンダリングするという流れへの対応が考えられます。また、設計業務では、3ds Maxを導入することによって、分散レンダリングを行ってスピードアップする、市販部品集の家具や添景を配置してクオリティを上げるなどの効果が期待できます。つまり、建築におけるDesignVizの視点から考えると、3ds Maxと他の3DCGソフトとのデータコンバートではなく、BIM ソフトとの3Dデータコンバートが今後の重要な課題になってきます。

確かに、3Dデータコンバートはかなり面倒な部分です。これまでの経験上、自動化された連動性を追求し過ぎると、間違いなく破綻します。そこで第一回目として、CG制作側から見たデータコンバート、つまりBIMソフトとの連動性を無視した、一回限りの3ds Maxへのインポートについてお話します。

第5回:データコンバートについての続きを読む

PERCH長尾の知っ得!デザインビズ必読ポイント!

第5回:CADから広報宣伝用ビジュアルが作られていくー3DCGビジュアル制作の流れー

01_design-viz-garage.jpg
こんにちは、パーチ長尾です。

7月1、7、10日に名古屋/大阪/東京で開催された『印刷、写真、広告業界向けデザインビズ セミナー』※には、印刷業界の方、制作会社の方、カメラマンの方、CGクリエイターの方、製造メーカーの方など、併せて約400名もの方にご参加いただきました。加速する3DCGビジネスの現状を知りたい、業界の変化について情報が欲しい、という目的で受講され、今やっている仕事とデザインビジュアライゼーションがどう繋がっていくのか、これからどのように仕事を進めていくのか、を考えるきっかけになった方も多いようです。
またセミナープログラムにはMax 2010のデモや、JAGATさんによる『印刷業におけるCGの重要性』の講義もあって、皆さん興味を持って聴講されていました。
さて、私も『デザインビズ業界の現状、ビジネスに必要なこと』などについてお話ししましたが、今回は初めてデザインビズセミナーを受講されている、3DCGビジネスの導入をご検討中の方(まだ3DCGビジュアル制作をされていない方)も多いような印象でした。そこで今回のコラムでは、「CADから広報宣伝用ビジュアルが作られていく ー3DCGビジュアル制作の流れー」について詳しくお話ししたいと思います。

これを読んでいただくと、
・どうやったら『CAD』から『魅力的な広報宣伝用ビジュアル』ができるのか
・3DCGによる広報宣伝用ビジュアルの事例が増えている理由

が分かります。

※ご好評につき、このセミナーは9月9日(水)に仙台メディアテークで、9月15日(火)にアクア博多でも開催されます!お近くの方は是非ご参加ください。
詳細/お申込みはこちらからこのイベントは終了いたしました。
第5回:CADから広報宣伝用ビジュアルが作られていくー3DCGビジュアル制作の流れーの続きを読む

ATA企画のmental rayビジュアライゼーションテクニック

第5回:ライティング設定

前回マッピング作業が一通り終わりましたので、今回はライティング設定をしていきます。
ライティングは3DCGや建築CGパース作成での重要なポイントとなります。
実際のカメラ撮影の際のライティング知識なども役に立つように、CGライティングは非常に奥深い作業です。
しかしながら今回は【mental rayを使えばこんなに簡単にライティングが出来るの??】ということをお見せしたいと思います。

使用するライトはデイライトシステム、mr Skyポータルとファイナルギャザーです。

1. ライトの種類

3ds Maxのライト機能には標準ライト、フォトメトリックライト、デイライトなどいくつかの種類があります。


左から標準ライト、フォトメトリックライト、デイライト

mental rayではこれら全てのライトの使用が可能です。
標準ライトはスキャンラインなどで使用されていた方法と同様にmental ray上での使用が可能です。フォトメトリックライトはライトメーカーから配布されている配光データであるIESファイルなどを読み込むことにより、より正確なライティングが可能となります。
デイライトシステムを使えば、場所、日付、時間の指定によって、太陽光の設定が簡単にできます。

第5回:ライティング設定の続きを読む

PERCH長尾の知っ得!デザインビズ必読ポイント!

第4回:3DCG業界支援!デザインビズのポータルサイト『Design Viz Garage』オープン!

こんにちは、パーチ長尾です。

このコラムでは、デザインビズ業界の現状、役立つ情報、「知って得する」必読ポイントをお届けしています。今回はデザインビズのポータルサイト『Design Viz Garage(デザインビズガレージ)』についてお話します。

01_design-viz-garage.jpg
『Design Viz Garage』(http://dvz.multi-bits.com/)は、デザインビジュアライゼーションに特 化したポータルサイトです。
・3DCGモデルデータ、テクスチャー、HDRI、制作Tipsなどのデータやスキルアップツールの販売
・クリエイター特集やデザインビズに関連する最先端の業界動向が分かる『ニュース/コラム』の掲載
・商品を通して「得意分野をアピールしたい」制作者の方と、「優秀なプロダクションを見つけたい」発注者の方を結ぶ仕組みもあります。
制作プロダクションさん、 製品検討をするプロダクトデザイナーさんやCGクリエイターさん、 制作プロダクションを探している企業さん、自分の作品を知ってほしい個人のクリエイターさん始め、デザインビズに関わる方に利用していただきたいサイトです。

データは建築広告、プロダクトの販促広告、製造メーカー内での製品検討、プレゼンの現場など、色々な場面で利用できます。 まだデータの数は少ないですが徐々に増えていきますので、必要な時にはチェックしてみてください。(『Design Viz Garage』の企画・運営はストックフォトサイトを運営しているマルチビッツ社(http://multi-bits.com/)とパーチ(http://www.perch-up.jp)が行っています)。

第4回:3DCG業界支援!デザインビズのポータルサイト『Design Viz Garage』オープン!の続きを読む

PERCH長尾の知っ得!デザインビズ必読ポイント!

第3回:Autodesk Solution Day 2009 CGトラック特別セッション
『製造メーカー内部で制作される広報宣伝用ビジュアル』セミナーリポート

03_IMG_1.jpg
こんにちは、パーチ長尾です。

6月5日に開催された『Autodesk Solution Day 2009』に私もモデレーターとして参加しました。
製造メーカー内部で広報宣伝用ビジュアルを3DCGで制作している企業2社(パナソニック電工さん、ケンウッドデザインさん)によるパネルディスカッションは又とないキャスティングで、製造メーカーの視点から「3DCG化した理由、メリット、抱えている問題点」などをお聞きすることのできた、大変貴重なセッションでした。

その時の様子を、今回はパーチのスタッフが会場からリポートします。



数年前から『製造メーカー内部で広報宣伝用ビジュアルが作られているらしい』という話を耳にすることがありましたが、『内部事情』であるゆえ、これまでその実態は分からないままでいました。
今回のセッションはまさにそれを聞けるチャンスで、3DCG導入時の『検討材料』として聞かれた製造メーカーの方を始め、『協業のポイント』として聞かれた印刷会社の方、制作会社の方、カメラマンの方、CGクリエイターの方、会場いっぱい250名もの方が参加されていました。

ー『パナソニック電工さん、ケンウッドデザインさんの制作事例』を見てー
始めに両社の制作事例(静止画/動画)を見ました。予想はしていましたが、その質は高く、従来の商品写真と比べてもほとんど差がない品質でした。最新のWeb画像を始め、商品パッケージやカタログの写真、イベント用の動画など、あらゆるところで自然に使われています。
第3回:Autodesk Solution Day 2009 CGトラック特別セッション
『製造メーカー内部で制作される広報宣伝用ビジュアル』セミナーリポートの続きを読む

冨田和弘が斬る!建築ビジュアライゼーション業界

第4回:建築CGパースに求められるもの

今回は建築ビジュアライゼーションの成果品の中でも最もポピュラーなパースについてお話ししたいと思います。

皆さんはどういった考えで、どのような表現を、どんな制作手順でパースを描いていますか?また何に一番頭を悩ませますか?一番時間を割いている事は何ですか?
次々と問いかけをしてしまいましたが、大抵の人は半自動的(または全自動的?)にそれぞれのやり方でそれぞれの解答を持って制作しているんだと思います。
レンダリングテクニックに関しては皆さん勉強熱心なのでセミナーやネットで日々他の人の技術を学んでいるのではないかと思いますが、制作の考え方や手順などは案外自己流で済ませているのではないかと思います。パース制作によって自分が十分満足を得る対価を得ている人や、クライアントに引っ張りだこの人にとっては自己流で別に問題はありませんが、そうでは無い人は(そうで無いかも知れない人も)、たまには他人のやり方を覗いてみる事が自分にとって色々参考になる点があるかもしれません。
01_dome.jpg
しもきた克雪ドーム 設計:原広司+アトリエ・ファイ、大成建設
少々導入が長くなりましたが、参考にするかは別として私の制作プロセスとその時々に考えている事等をここでお話ししてみたいと思います。(ここでは一番制作がやっかいな、企画・計画-基本設計-実施設計フェーズでのコンペを含んだパース制作を取り上げます)
第4回:建築CGパースに求められるものの続きを読む

ATA企画のmental rayビジュアライゼーションテクニック

第4回:インテリアレンダリングに挑戦2

前回同様天井など大きな部分からマッピング作業を進めていきましょう。

まずは大雑把に進めて行き、最後に詳細部分に入っていきます。
理由としては、建築パースのみならず実際の仕事では大抵納期に追われての作業となります。最終的に限られた時間内でクライアントの要望を全てクリアしなくてはならないのですが、まずは見た目に影響が大きい広い面積の部分から進めて行き、第一稿として設計チェックに出す→その間に細かい部分の作業に入っていく。といった流れができるのも理由のひとつです。

ケースバイケースですが、そのプロジェクトごとの肝となる部分を先に進め、詳細部分などは時間の許す限り最後に手を入れていくという方法も考えられます。
少し話がそれましたが、そういった意味でまずは床・壁・天井など視覚的に影響の大きい部分から進めていきます。

1.壁のマッピング

前回のフローリング同様にのマッピングに入ります。

1-1. まず、現在作業には必要ないオブジェクトで、特にポリゴン数が多いものはレイヤー機能などを使いoff(非表示)にしておきましょう。


小物や植栽データなどの重いオブジェクトはoffにしておく。


第4回:インテリアレンダリングに挑戦2の続きを読む

PERCH長尾の知っ得!デザインビズ必読ポイント!

第2回:広告業界がデザインビズに注目!『基礎から始める3DCG広告写真』セミナーリポート

01_IMG_2.jpg
こんにちは、パーチ長尾です。

5月26日に雑誌『コマーシャル・フォト』(玄光社)さん主催で、Design Visualizationセミナーを開催しました。
フォトグラファーと広告クリエイターの方のための専門誌ですが、今回は『3DCGによる広告写真制作』というテーマで、カメラマンの撮影ノウハウを3DCGに加味していく『3DCGフォトグラファー』という仕事の視点からお話ししました。CGクリエイターさん、カメラマンさん、建築ビズ制作会社の方、グラフィックデザイナーの方、メーカーの開発部の方など、たくさんの方に参加いただきました。

3DCGによるビジュアル制作は、10年ほど前から、自動車や住宅、キッチンメーカーから始まり、3DCGならではのメリットやメーカー内の事情から、現在、様々な業界が『広報宣伝用ビジュアル』として活用しています。
広告業界の方も注目するようになったのは、撮影件数が年々減ってきているという事実、3DCGソフトの著しい進化、3DCGで制作された広告事例が増えたこと、また昨今では商品(モックアップ)が撮影に間に合わないことが多く、制作時間が短くなっているなど、従来のやり方では対応しきれない問題が出てきたからです。
第2回:広告業界がデザインビズに注目!『基礎から始める3DCG広告写真』セミナーリポートの続きを読む

fieldjamのDesignVizエッセンス

第4回:リニアワークフローについて<その4>

今回でLWFの話は最後です。前回までに、ガンマの考え方、ワークフローの組み方、そして3ds Maxでの具体的な設定について解説しました。前回のボリュームはかなり大きくなってしまいましたが、3ds Maxに関する部分は一気に説明しておかないと、私を含めてフラストレーションが溜まる人がいると思われたのでギッシリ詰め込みました。

今回はLWFについての補足と、現在では多くのユーザーを抱えるVrayでの注意点の解説を進めたいと思います。また、前回に習ってガンマGとgを区別して表記します。

シミュレーションと絵作り

LWFの大きなメリットは、ライティングによる光の処理です。
LWF環境で、サンライト、スカイライト、フォトメトリックライトなど物理的で現実に即した光の特性を持つものをライティングで使用した場合、シミュレーションとしての結果が期待できます。

もうひとつ大事なことは、このようなライトを使用した場合、露出補正が必須であるということです。
mental rayの場合は[mrフォトグラフィック露出制御]を用いるのが良いでしょう。これは、実際のカメラと同じように露出補正を行います。そのため、シャッタースピード、絞り、フィルム感度などのカメラの知識が必要になりますが、それほど難しいことではありません。この露出補正の考え方も、LWFを用いたシミュレーションという側面を支えています。

さてここからは、内観を例に私の事務所での一般的な作業フローを説明します。
モデリングと質感設定の後、照明器具のプロット情報に従って、想定される明るさを設定したライトを配置し、外光が影響を与えるようなシーンではサンライトとスカイライトを設定します。実際にそのシーンをカメラで撮影することを考えながら露出補正を行いレンダリングすると、この段階ではシミュレーション的な画像が出来るので、そのままサンプルとしてクライアントに送ります。

微調整を行う程度でそのまま進められる場合もありますが、通常は「ちょっと暗いかなぁ」、「もうちょっとカッコ良く」などという要望と、ダウンライトの追加、開口の修正、床材や壁材の見直しなどの設計変更の情報が送られてきます。それらの変更を反映しても、まだ要求するイメージにマッチしない場合、こちらは絵作りとしてマテリアルの修正やライトの追加、天井のマスクを切ってPhotoshopで明るくしたりという作業を行います。必ずしも、物理的に正しい設定をしたシミュレーション的な画像がリアルではなく、制作者とクライアント、双方のイメージの共有が大切ですね。LWFを用いれば、厳密に正確かどうかはともかく、多分実際はこうなんだろうなという「心のよりどころ」を最初に持つことが出来るので、その後の絵作りが楽になると思います。

第4回:リニアワークフローについて<その4>の続きを読む

ATA企画のmental rayビジュアライゼーションテクニック

第3回:インテリアレンダリングに挑戦

ではお待たせいたしました、これから数回にわけて実際にmental rayでの内観レンダリングに挑戦してみましょう。
とりあえず難しい話は抜きにしてレンダリング画像を仕上げてみたい!という方も多いと思いますので、今回は一通りの工程をお見せして、最終系画像まで一気に仕上げてみます。
詳細設定などには触れませんが、逆にそれ抜きでもこれくらいのクオリティが出せることが分って頂けると思います。



完成イメージ
第3回:インテリアレンダリングに挑戦の続きを読む

PERCH長尾の知っ得!デザインビズ必読ポイント!

第1回:魅力的な広告写真を、3DCGで作るために必要なものとは?

広告に写っている商品はすごく魅力的に見えて、『ほしい!』と思ってしまいます。
先日も電車の中刷り広告を見ていて、そのまま電車を降りて電気店に行ってしまいそうになりました。

ではなぜこんなに魅力的に見えるのか?
自分で3DCGソフトというバーチャルスタジオの中で製品モデルを配置してライティングをしてみると、『どうも広告とは違う』、でもその理由がわからない。 皆さんの中にもこんな思いを持った方がいらっしゃると思います。 今回のコラムではこの謎に迫ってみようと思います。

このコラムですが、広告業界とデザインビズ業界のこと、仕事をより良くするための情報などをご紹介していこうと思います。

あらためまして、パーチの長尾です、よろしくお願いします。
もとはグラフィックデザインや画像合成といったクリエイターをしていましたが、前職ではその経験を活かしてデザインビズ事業の起ち上げや、デジタル化の推進、ビジュアル著作権の制度化などに携わってきました。 パーチはこんな経験やノウハウを1つの会社だけじゃなく、広告やデザインビズ業界に幅広く提供して、私たちにとまりに来てくれた方の翼を大きくするのが目的の会社です(パーチは「とまり木」という意味なんです)。

こんな形で撮影や画像合成の仕事にたくさん携わってきて、3DCGとは違いよりも共通 する部分が多いことに気づきました。 さっきの謎『広告写真は魅力的に見える』の答えもこのあたりにあるようです。

撮影スタジオのライティングは現実世界を再現しようとしている

真っ暗な撮影スタジオに置かれた商品に、ストロボをひとつずつ足していってライティングを作っていきます。 このときにカメラマンが気にするのは『現実世界の再現』『より自然に見えながらも商品の特徴や魅力を強調する』ということです。

『基本は1灯ライティング』。これは『太陽は1つだから』という現実世界に習っています。2つの方向から光を当てる時も不自然に感じてしまうのは人間として自然なことなんです。でも遠い遠い宇宙の彼方に太陽を2つ持つ惑星があったら、そこに住むカメラマンはきっと『基本は2灯ライティング』と言っているんでしょうね。 しかし1灯だけでは商品を魅力的に見せる『演出』ができない場合が多いので、1灯ライティングを基本にして、不自然に見えないようにストロボを追加していきます。

01_studio.jpg
第1回:魅力的な広告写真を、3DCGで作るために必要なものとは?の続きを読む

ATA企画のmental rayビジュアライゼーションテクニック

第2回:詳しく知ろう mental ray

mental rayを実際に使ってみる前に、今回はmental rayにの中に入り込んだ詳しい話をしておきたいと思います。
じらすわけではないのですが、今までラジオシティなどを使用していたユーザさんなど、mental rayとはどういったレンダラーなのかを知ることによって今後作業していく上でアドバンテージになるでしょう。

mental rayは、独mental images によって開発され、レイトレース法をベースとして反射・屈折・グローバルイルミネーション(GI)・コースティクス・被写界深度・ディスプレイスマップ・他多数などをサポートする同社の主力製品です。
また、フォトンマップ技術により、光の物理的な現象を再現することが可能です。

mental rayは1989年から開発が続いており、最初にSoftimage|3Dが内部レンダラーとして統合しました。現在では3ds Max、Maya、AutoCAD、RevitなどのAutodesk製品にも搭載されています。
また、3Dソフトウエアに依存せずに動作するmental ray Standalone もあります。
マトリックス、スパイダーマン3など数多くの映画・TVなどでも使用されており、世界中で高く評価されているレンダラーです。

3ds Maxに完全に統合されているため、通常のスキャンラインを使用するのと同じ感覚でソフトウェアの違いを感じずに作業することができます。
作成したシーンをmental rayでレンダリングを開始すると、まずシーンデータはmental rayレンダリングエンジンに取り込まれ変換・再構築されます。その後にレンダリングが開始されます。
しかしながら、mental rayは3ds Maxに完全に統合されているためこれらの処理をユーザは気にせずに全て自動で行われます。
mental rayは3dsMaxを使用しているユーザには非常に使いやすいレンダラーなのです。

ata02_cubes.jpgmental rayは色々な効果をもたらすことが可能

第2回:詳しく知ろう mental rayの続きを読む

冨田和弘が斬る!建築ビジュアライゼーション業界

第3回:建築ビジュアライゼーション業務に必要な知識

tomita03_01.jpg
建築:アクアマリン福島 設計:日本設計
出典 http://www.copro.net/freephoto/
建築ビジュアライゼーション業務に必要な知識というとどんな事を思い浮かべますか?

「モデリングの際に図面が読める」、「建築のディテールを理解している」、または「レンダリングの際に仕上げの表現がわかる」等々、CG制作者にとって色々思いつくものがあるかと思いますが、この問いの答えとして今回のコラムはCG制作から少し離れて建築寄りの話をしてみたいと思います。
第3回:建築ビジュアライゼーション業務に必要な知識の続きを読む

fieldjamのDesignVizエッセンス

第3回:リニアワークフローについて<その3>

さて、いよいよ具体的な設定方法です。3ds Maxについては一般的に使用できることを前提としているので、細かい説明は省略させてください。

ディスプレイのキャリブレーション

まず、ディスプレイのキャリブレーションを行います。今回の目標値は、白色点6500K、ガンマ2.2で進めることにします。また、その方法は機械に任せるか自分の目で行うかの2つに分けられ、さらにディスプレイ本体についてもカラーマネージメントが可能なものを使用することにより、より良好な環境が整えられます。キャリブレーションについては、白色点、環境光についてなど、まじめに説明すると大変長くなってしまうので、ここでは簡潔に方法だけ提示しておきます。

1.ハードウェアキャリブレーション
ハードウェアキャリブレーションツールを持っている人は、それらを使用してください。この方法がもっとも望ましいので、持ってない人は購入を検討するのも良いでしょう。

2.目視による調整
フリーのツールを用いたり、ディスプレイの調整メニューだけでも可能です。「ガンマ設定」などでWeb検索してください。見た目に頼っているので精度は落ちますが、行わないよりは良好な状態です。

3ds Maxの設定

ディスプレイのキャリブレーションが終わったら、ようやく3ds Maxの登場です。では、まずガンマを2.2に設定しましょう。[カスタマイズ]/[基本設定]の[ガンマとLUT]タブを選択し図のように設定してください。

これで、終わりです。あっけないですね。でも内容をきちんと確認しましょう。max_gamma01s.gif
第3回:リニアワークフローについて<その3>の続きを読む

ATA企画のmental rayビジュアライゼーションテクニック

第1回:mental rayではじめよう!

今回から数回にわたって建築ビズをメインに、初心者から中級者の方を対象としたmental rayビジュアライゼーションテクニックを紹介させて頂きます、有限会社ATA企画(エイティーエイキカク)の多田朱利(タダ アケトシ)と申します。

よくある機能説明的な内容は巷に出回っている教本にお任せすることにしまして、mental rayを使用して"初心者でもいかに説得力のあるイメージを作成できるか"に焦点をあわせて進めて行きたいと思います。例えば設計事務所などで普段CG業務に携わってない方でも、3ds Max + mental rayを使えば簡単なプレゼン用3Dイメージやハイクオリティなイメージまで作成できるようになるのを目標としています。

今回は初回ということで、3DCGの現状などについて触れておきたいと思います。
3DCG建築ビジュアライゼーション業界において3ds Maxのシェアはトップクラスです。3ds Maxを使った建築3DCG作成にはモデリング・レンダリングを3ds Max一本で行う方法、又はモデリング作業は他のCADで行いインポートにて3ds Maxにモデルを取り込みレンダリング作業という方法、更にはモデリングのみを3ds Maxにて行いレンダリングを他ソフトで行う方法が考えられます。

mr_vol1a.jpg

3ds Max内でのレンダリング方法にもいくつか考えられます。
もっともベーシックなスキャンラインレンダリング。数年前に主流となったラジオシティレンダリング。
そして現在標準搭載されているレンダラーmental rayを使ったレンダリングです。
その他、3ds Max+プラグインを使ってのレンダリングもかなり使われているのが現状ではありますが、mental rayもそれら対抗馬に匹敵する強力なレンダラーです。

mr_vol1b.jpg



第1回:mental rayではじめよう!の続きを読む

fieldjamのDesignVizエッセンス

第2回:リニアワークフローについて<その2>

いろいろなワークフロー

世の中には人それぞれのワークフローがあります。長くCGの仕事をしていると、独自のものが染み付いているのでなかなか変えることができませんよね。そうであったとしても、とりあえず3つのワークフローを考えてみましょう。

1.3ds Maxでガンマを考慮していないワークフロー


chart01-thumb-558x314-7.gif
3ds Maxのガンマ設定を行っていない、さらにディスプレイのキャリブレーションもしていない場合、一般的にこのようになります。特に、キャリブレーションを行っていないことは3ds Maxに限らず大きな問題ですね。

さて、元々3ds Maxでの作業は、内部的にリニアスペースで行われるようになっています。結果的には、このワークフロー自体(キャリブレーションを行っていれば)それほど問題ではないんです。ただ、レンダリング画像やマテリアルのプレビューをガンマ1.0のままディスプレイに送っているので、中間値が暗い状態で作業しているという点が気になります。

しかし、それを補完するためにライティングでバランスを取っているので、結果として満足のいく成果品ができているというのがこのワークフローです。

つまり、敢えてリニアワークフローを取り入れる必要は無いかもしれません。ワークフローを切り替えるのは結構大変で、特に目が慣れるのに時間が掛かります。この状況で満足できる絵を作っているということは、3ds Maxでの作業中に脳内ガンマ補正を無意識に行っている可能性がありますが、その状況からリニアワークフローに切り替えると、もの凄く違和感があります。(私も経験済みです)


第2回:リニアワークフローについて<その2>の続きを読む

fieldjamのDesignVizエッセンス

第1回:リニアワークフローについて<その1>

fieldjam 林田豪元 氏今回から暫くコラムを書かせていただくことになったフィールドジャムの林田豪元(はやしだひでゆき)と申します。建築系のCG制作をおもな仕事としています。ここでは3ds Maxのテクニックだけではなく、デザインビジュアライゼーションを進める上で、知っておくと便利なことをいろいろな角度から取り上げてみたいと思います。最初は、耳にしたことがあるかもしれませんがリニアワークフローというものについて、数回に分けて取り上げていきます。

ガンマについて

まずは、少し目を細めながら次の画像を見てください。LCDの場合は見る角度によって異なるので、なるべく正対して見ましょう。周囲のグレー部分にもっとも馴染んでいるものが、ディスプレイのガンマ値です(大体です)。ガンマって何?良くわかんないし面倒なんだよねという人、損はさせないので少しの間お付き合いください。

ガンマ説明図1
ガンマとは、入力情報と出力情報のバランスのことです。言葉では解りにくいので図が必要ですね。


ガンマ説明図2
表示するディスプレイのガンマ値が1.0の場合、このようになります。ガンマ1.0の環境をリニアスペースと呼び、入力された情報はそのまま出力されます。確かに理想的ですが、ありえません。なぜならば通常は次のようになっているからです。


ガンマ説明図3
はっきりと暗いんです。ガンマ値を2.2にしたのは、Windows環境のディスプレイは2.2が多いためです。ガンマ値が1.0を超えると、そのカーブが下向きに膨らみます。ディスプレイに限っていえば、必ずこのような変換が行われて表示されます。この場合、最大値と最小値は変わらないけど中間値がぐっと押さえられているので、大きな問題です。


ガンマ説明図4
そこで、あらかじめ明るくしたデータをディスプレイに送り込んで、相殺させてリニアスペースで表示するということを行います。こうすると、作成した画像の情報をそのまま表示できることになります。理屈は単純ですが、なんだか、やっぱり面倒ですね。

第1回:リニアワークフローについて<その1>の続きを読む

冨田和弘が斬る!建築ビジュアライゼーション業界

第2回:建築ビジュアライゼーションとBIM(Building Information Modeling)の関係

説明図1ここ数年、建築業界で何かと話題に事欠かないBIM(Building Information Modeling)という考え方(システム)がある。建築ビジュアライゼーションに関わる業務を行っている私とは直接的に関わりがなさそうな印象を持つBIMではあるが、面白い事に最近は私自身がBIM絡みで建築ビジュアライゼーションを語る場面が増えてきている。普段は建築パースやアニメーションを制作する事を主体として仕事をしている者にとって、BIMはあまり関係なさそうだという印象を抱きがちではあるが、いやいや実はビジュアライゼーション関係者も積極的にその潮流に乗って損は無しという思いがある。そこで今回はBIMが建築ビジュアライゼーションにもたらす影響や、逆に建築ビジュアライゼーションはBIMにどういう影響を与える事が出来るのかをお話して見ようと思う。

説明図2建築ビジュアライゼーションとBIMの関係を語る前に、まずBIMとは何ぞや?という疑問をお持ちの方もいると思うが、ここでBIMの解説をしていると文章が足りなくなってしまうほど奥が深いし、簡潔に話して誤解を招く事になってはBIMの普及に努めている方々にお叱りを受けかねないので、ここでは建築ビジュアライゼーション側から見たBIMの捕らえ方という切り口でお話したいと思う。


建築ビジュアライゼーション関係者から見たBIMの最大の特徴は、設計の上流から施工段階、更には竣工後に至るまでその中心に3Dモデルがある事だ。これまでパースやアニメーションを制作する際の多くは2DCAD図面から3Dモデルを起こしていたと思うが、このモデリング作業が曲者で図面の不整合ならまだしも、まだ確定していない図面から制作しなければならなかったりと、レンダリング作業に入る前にモデリングの正否の確認で煩雑なやり取りが発生していたし、更には締め切り間際の設計変更などもありレンダリング作業に大きな負担になっていた。


説明図3これがBIMによって設計側から確定に近いモデルを入手できるようになればこれは大きな変化だ。誤解を恐れずに書けばモデリング作業の煩雑なやり取りから開放されて絵作りに没頭でき、成果品のクオリティを1ランクも2ランクも上げる事が可能になる。これは設計者にも言えることで、これまではパースを制作するためにはモデリング→レンダリングの2工程のチェックをしなければならなかったが、レンダリング部分の表現のチェックだけに集中できるようになる。更には設計の早い段階から3Dモデルが存在する事により、これまではあまりビジュアライゼーションを活用していなかった(出来なかった)企画・計画レベルや施工段階での制作量が増大する可能性が高い。それはパースやアニメーションといった従来の制作物だけでなくリアルタイムレンダリングの制作をも普及させるポテンシャルがある。

説明図4ここまで読んで来てBIMの動向もチェックしているCGデザイナーやCGプロダクションの経営者からは「本当に仕事量が増えて上手くいくの?」という声が聞こえて来そうだ。その疑問の理由はBIMの導入効果の1つとしてコスト削減が謳われていて、Revitなどはフル機能ではないにしても簡便にメンタルレイが使用できるため設計者がパース制作を行えるようになり、それによってCGの外注費の削減に繋がっている等のメディアからの情報をキャッチしているからだと思う。

これらの情報に嘘は無いだろうと私は思っているが、建築業界全般の話にまではなっていないと考えている。確かに中小の設計事務所やゼネコンでは大きな会社に比べて社員数も非常にコンパクトだしコストの締め付けもより厳しいため可能な限り内作を勧めるのは道理で、BIMによってコスト削減できることは積極的に推進する事は間違いないからだ。ただこれは中小規模の会社に見られる例で、建築ビジュアライゼーション業務の発注総量から見た場合の割合は少ないだろう。


第2回:建築ビジュアライゼーションとBIM(Building Information Modeling)の関係の続きを読む

冨田和弘が斬る!建築ビジュアライゼーション業界

第1回:建築ビジュアライゼーションにおける恒常的な問題点とは?

冨田和弘 氏建築ビジュアライゼーションを生業としている私にとって常に頭を悩ませる問題が1つある。それは、企画・設計に始まり施工を経て建物が竣工するまでの建築ワークフローに於いて、建築ビジュアライゼーションの重要性は建築関係者にどの程度認知されているかという点だ。

ビジュアライゼーション=可視化という切り口で業務を捕らえるとCGパースやアニメーションだけではなくシミュレーションやDTPなども含め広範囲にわたり、各々の場面での使用状況を鑑みると認知度は高そうに見える。私の経験からすればプレゼンテーションの場では建築パースやアニメーションは必須だった。

これらの点から考えれば重要度、認知度共に高そうに見えるが、私が問題と感じているのは、ビジュアライゼーションの成果品に対しての価格の設定が品質や表現力、表現手法などにあまりリンクせずに、例えばパース1枚○○円などの一律でどちらかといえば時間単価に近い設定をしている点だ。ビジュアライゼーションというからには、その表現力や表現手法に重きが置かれて然るべきであって、標準単価や時間単価的なものと比べて高い安いを議論するのは違うのではないかと思う。勿論この御時世においてコスト管理にシビアになるのは当然ではあるが、表現力が優れているものに対しても標準単価的な発想で査定されるのはおかしいのではないだろうか。

ここで冒頭の建築ビジュアライゼーションの重要性の認知度の話に戻るが、このような建築ビジュアライゼーションの状況だとビジュアライゼーションを使用するという意味では必須であっても、本来のビジュアライゼーションの目的である「分かりやすく、より良く物事を伝える事によって差別化を図る」という観点からは、コストベースで成果品を判断している事からも明らかなように重要度が高いとはあまり感じられない。勿論ビジュアライゼーションの重要性を十分認識している設計者(クライアント)は存在するが、その絶対数は多くない。何故今この話をしているかというと、昨年末からの経済危機に直面している最中で企業がもっともコストを圧縮しようとするのが、重要性があまり高くないと判断される業務であり、そういった意味で建築ビジュアライゼーション業務は経済危機と同様に危機に直面していると思っているからだ。

今は建築ビズの重要性を再認識させるチャンス・未来は明るい

 新年を迎えたばかりというのにネガティブな話からスタートしてしまったが、私自身は現在の経済状況を建築ビジュアライゼーションの重要性を再認識させるチャンスと捕らえている。不景気になってくると自ずと営業活動が増え、プロポーザル案件が増加し、設計や施工のコンペの競争の激化が予想される。受注競争の中では設計側の意図を施主に明確に伝えるツールとしてイメージによる伝達・共有=ビジュアライゼーションによるイメージの表現がこれまで以上に重要になってくる。更には他社との差別化を図る事が重要になり、この点でもビジュアルによるイメージの伝達は非常に有効な手段となる。

実際これらの事は以前から言われ続けてきた事であり本当にそうなるのか?という疑問は私自身にもあったが、この事に確信を持てたのは最近訪れた某大手設計事務所での会話からだった。不景気でもあり設計業務も減っているであろう事は大手設計事務所とはいえ避けられない現実だろうと思っていたのでCG制作の外注が多くあるのか疑問を抱きながら話を聞きに行ったのだが、先方の話だとCG制作の業務量が多いため内制だけでは手が回らず外注しているという事だった。

なるほど、さすが大手は実績と営業力でこの不景気の中でも仕事は余るほどあるのだと一人で納得していたが、設計業務は他聞に漏れず減少傾向にあるという。では何故CG制作が多いのかという私の問いに対する先方の答えは「だって今時図面だけでクライアントに説明することなんて無いでしょう。図面よりも絵で見せたほうが話が早いし」というものだった。更には受注活動のためにプロポーザル・コンペ等でCGパース・アニメーションの引き合いが多いとの事だった。CG制作現場の生の声が私の考えを肯定してくれたお陰で建築ビジュアライゼーションの前途は明るいと考えるに至った訳だ。

第1回:建築ビジュアライゼーションにおける恒常的な問題点とは?の続きを読む
サイトマップ
©Copyright 2009 Autodesk, Inc. All rights reserved.