第6回:3DCGビジネス導入の流れ
こんにちは、パーチ長尾です。
前回は「どうやったら『CAD』から『魅力的な広報宣伝用ビジュアル』ができるのか」が分かるように、3DCGビジュアル(製品基本カット)の一般的な制作工程についてお伝えしました。
3DCGデータはWebやテクニカルムービー、カタログなど様々な媒体に流用できるので、ビジネスチャンスがたくさんあります。そのため印刷会社さんを始め、写真プロダクションさん、建築系CG制作会社さんなど、色々な職種の制作会社さんが参入されています。
では、それぞれの会社はどのような経緯でこのビジネスを始めて、どんなふうに導入を進めていったのでしょう。今回は2つの事例を見てみたいと思います。
「3DCGビジネス導入の流れ」<印刷会社A社さんの場合>
ービジネス導入を決めた経緯ー
・昨今ではこれまでの差別化要因だった「Web、デザイン、高品質、画像処理」ができる印刷会社はいくつもあって、最終的には「価格」で受注が決まるようなことが多く、新たな差別化要因が早急に必要だった。
・「3DCGサービスをきっかけにして仕事を増やしている」という競合の話を聞いたので、取引先に3DCGの利用意志があるか聞いてみたところ、好印象だったので導入を決めた。広告主にとって3DCGを利用するメリットがたくさんあったので、ほかの取引先でも受注できるだろうと予測した。
ービジネス初期の問題点ー
・競合のほうが仕上がりが良く、自分たちは営業面でも人材面でも遅れていたこと。
ー解決策ー
・画づくりに関してはライティングがうまくできなかったので、レッスン料を払って外部カメラマンに指導を受け、徐々に写真品質に近づけていった。
・営業面は、事例が増えるにつれて力がついていった。
・優秀な人材を入れるために専門のコンサルタントに相談した。
第5回:建築CGパースに求められるもの<その2>
前回は「建築CGパースに求められるもの」として、最初のステップであり大きな山場でもある初回打合せでの留意点をお話ししました。案外簡単に済ませてしまいがちな打合せがその後の制作にいかに影響が大きいかを理解していただけたんじゃないでしょうか。
今回は「建築CGパースに求められるもの 2」として,前回に引き続き制作段階で留意すべき点をお話ししたいと思います。
制作STEP
皆さんはパースを制作する際の手順というもをどの様にして身につけましたか。大体は自然に身についていると思いますが、その制作手順は狙い通りの建築パースを描くために自分なりに考え抜いたものだと自信を持って言えますか?案外学校で習った手順だったり、入った会社の制作手順が自分にとってのスタンダードになっていませんか。または他の人はどうしてるんだろう?と周囲の人に制作手順を聞いてみたりした事がありますか。
前回同様多くのクライアントを抱え、仕事も潤沢で修正等も少ない方は自分に合った制作スタイルが確立できていると思って間違いないので、この後の内容は軽く流し読みしてもらって結構です。このご時世、仕事が減ってきた、来ても値切られてしまうとお困りの方は以降の内容を参考にされるのも一考です。
燕市市庁舎コンペ案
設計:ラウムアソシエイツ一級建築士事務所
さて私の制作手順は
1)モデリング
2)アングル決定
3)ライティング
4)質感設定&レンダリング
5)レタッチ
という流れで、3と4は行ったり来たりしながらレタッチまで持って行きます。ここまで読んで、ん?自分と同じ(大して変わらない)じゃないか!とお思いの方がいると思いますが、具体的に各STEPの中身をお話ししていくと、少しずつ皆さんとの違いが出てくるのではと思います。
前置きはこのくらいで各STEP毎の考え方をお話ししたいと思います。(レタッチは文章での説明が非常に難しいので割愛させていただきます)
第6回:クオリティアップ術 Vol.1
前回まででマテリアル設定、ライティング設定と一通り完了しました。
なかなか高品質な画像が出来たと思いますが、今回から更にクオリティをあげていく方法を説明していきたいと思います。
この部分が皆さん気になる部分の一つだと思いますので、じっくりと数回に別けて説明させて頂きます。
まず、クオリティアップといっても色々な方法があります。
・モデリングを詳細まで表現していく
・高品質なマテリアル素材を作り張り込む
・ライティングを納得いくまで調整する
・小物や植栽など添景もこだわる
など、納得いくクオリティの作品を作成するには経験と時間を必要とします。
例えばマテリアルでは日ごろからデジタルカメラを持ち歩き、素材を集めることが非常に大切です。市販されているマテリアルはシームレス加工(つなぎ目を綺麗に合わせ繰り返しを目立たさなくする加工)などが施されいて使いやすいですが、更に上をくクオリティを目指為には素材集めが非常に重要になります。自分で集めた素材だからこそ、製作中に頭の中で思い描いたシーンに最も適した素材を選ぶことができると思います。
ライティングでは、ただ単に図面どおりにライトを配置してもCGイメージとしてのクオリティアップにはなりません。カメラ位置によってもそれぞれ異なったライティングを必要とします。
各カメラに対してのベストなライティングを設定していかないと、より良いイメージは完成しません。
つまり各ライトの強度調整や補助光なども加えて、全体のバランスを何度も調整していく必要があります。実世界の光の動きを普段からよく観察しておくことも大切です。
今回のクオリティアップ術としては、そういった経験と時間のかかる作業ではなく、mental rayの各種設定を調整や機能を利用することによるクオリティアップを目指します。
では、どのような設定方法や機能があるでしょう。
1.イメージ精度(サンプリング)の品質
2.各マテリアルの品質調整
3.ファイナルギャザー精度
4.マテリアルの拡張効果
--アンビエントオクルージョン
--ラウンドコーナー
5. ライトの調整
6. 小物の配置、モーションブラー追加で動きを出す
これらの項目を調整していくだけでも、イメージのクオリティがあがります。
前置きが長くなりましたが、実際の作業に入っていきましょう。
第5回:データコンバートについて
今回からは、BIMソフトなどの建築CADからのデータコンバートについてお話します。
製造業のDesignVizに携わっている方、ご苦労をお察ししますが、残念ながら私の専門外なので取り上げることができないことをご容赦ください。
最初に、データコンバートが必要な状況を考えてみましょう。
3ds Maxを使用している一般的なCGパース制作者は、ほぼ全ての作業を3ds Max上で行っていると思います。一方、Revit ArchitectureなどのBIM ソフトを用いているゼネコンや設計事務所でのCG制作は、そのソフトでのレンダリング結果を使用していることが多いのではないでしょうか。いまのところ、DesignVizとBIMそれぞれの業務は独立しているため、データコンバートは必要ないように思われますが、今後の両者の関係を考えた場合は無視できないポイントになります。CG制作者にとっては、BIMソフトで入力したモデルを受け取って、3ds Maxで編集し、レンダリングするという流れへの対応が考えられます。また、設計業務では、3ds Maxを導入することによって、分散レンダリングを行ってスピードアップする、市販部品集の家具や添景を配置してクオリティを上げるなどの効果が期待できます。つまり、建築におけるDesignVizの視点から考えると、3ds Maxと他の3DCGソフトとのデータコンバートではなく、BIM ソフトとの3Dデータコンバートが今後の重要な課題になってきます。
確かに、3Dデータコンバートはかなり面倒な部分です。これまでの経験上、自動化された連動性を追求し過ぎると、間違いなく破綻します。そこで第一回目として、CG制作側から見たデータコンバート、つまりBIMソフトとの連動性を無視した、一回限りの3ds Maxへのインポートについてお話します。