第8回:植栽について(ビルボード)
今回からは植栽を取り上げます。レタッチで貼り込む方法ではなく、3ds Maxでシーンに配置しレンダリングを行う方法について考えてみましょう。その手法は、写真を用いる(ビルボード)/3Dモデルを配置する、という2つに分かれるので、それぞれの特徴を簡単にまとめておきます。第1回目はビルボードについて解説を進めます。
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ビルボード |
3Dモデル |
| ポリゴン数 |
基本的には四角ポリゴンひとつ |
クオリティによって、数千から数十万、それ以上も。 |
| マッピング画像 |
全体のカラー画像とマスク画像 それなりのピクセル数が必要 |
葉、花、樹皮などの部位別に用意 |
| 陰影 |
光の角度によっては不自然 |
特に問題なし |
| アニメーション |
常にカメラを向くアニメーションを設定しておけば、それなりに見える。もしくは2枚のポリゴンを用いて十字に配置するなどの工夫が必要。 |
特に問題なし |
| レンダリングスピード |
早い |
遅い |
| 主な用途 |
静止画 |
アニメーション |
第7回:ArchiCAD13 と3ds Max Design 2010の連携
今回は、ArchiCAD13 と 3ds Max Design 2010の連携についてまとめます。ArchiCADから出力できる3Dフォーマットはいろいろありますが、実用に耐えられるのは3DSとOBJの2つです。
| ポイント |
3DS |
OBJ |
| マテリアル |
標準マテリアルとして読み込まれる |
標準マテリアルとして読み込まれる |
| オブジェクト構成 |
出力時オプション設定可能 |
出力時オプション設定可能 |
| レイヤー |
未対応 |
未対応 |
| リンク機能 |
なし |
なし |
| その他 |
出力オブジェクトのポリゴン数が65,535を超えると自動的に分割される
扱える名称は半角10文字まで
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レイヤ名とマテリアル名の日本語不可 |
第6回:Revit Architecture 2010 と3ds Max Design 2010の連携
最新版での検証が必要だったために、前回からかなり時間が経ってしまい申し訳ありません。
早速ですが、Revit Architecture 2010 と 3ds Max Design 2010で使用できるフォーマットについてまとめます。前回お話したように、マテリアルとオブジェクトの関係が壊れないことが最低条件です。
作業環境について、どちらのソフトも最新のアップデートを適用していることが条件です。また、3ds Max の[カスタマイズ]メニュー→[カスタムUI と既定値の切り替え...]でツールオプションをデフォルトの[DesignVIZ.mentalray]で使用しています。
| ポイント |
DWG |
FBX |
| マテリアル |
Architecturalマテリアルとして読み込まれる |
ProMaterials として読み込まれる タイプ別にマテリアルが分かれている 現状は3ds Maxへの読込時に日本語のマテリアル名が文字化けする |
| オブジェクト構成 |
入力時オプション 設定可能 |
Revitの要素に分かれている オプション設定不可 |
| レイヤー |
Revitの出力設定のレイヤに分かれている |
未対応 |
| リンク機能 |
DWGリンク |
なし |
| その他 |
UV情報が正確にコンバートされない |
カテゴリ、ファミリ、タイプ、レベルの情報も各オブジェクトに付随している |
第5回:データコンバートについて
今回からは、BIMソフトなどの建築CADからのデータコンバートについてお話します。
製造業のDesignVizに携わっている方、ご苦労をお察ししますが、残念ながら私の専門外なので取り上げることができないことをご容赦ください。
最初に、データコンバートが必要な状況を考えてみましょう。
3ds Maxを使用している一般的なCGパース制作者は、ほぼ全ての作業を3ds Max上で行っていると思います。一方、Revit ArchitectureなどのBIM ソフトを用いているゼネコンや設計事務所でのCG制作は、そのソフトでのレンダリング結果を使用していることが多いのではないでしょうか。いまのところ、DesignVizとBIMそれぞれの業務は独立しているため、データコンバートは必要ないように思われますが、今後の両者の関係を考えた場合は無視できないポイントになります。CG制作者にとっては、BIMソフトで入力したモデルを受け取って、3ds Maxで編集し、レンダリングするという流れへの対応が考えられます。また、設計業務では、3ds Maxを導入することによって、分散レンダリングを行ってスピードアップする、市販部品集の家具や添景を配置してクオリティを上げるなどの効果が期待できます。つまり、建築におけるDesignVizの視点から考えると、3ds Maxと他の3DCGソフトとのデータコンバートではなく、BIM ソフトとの3Dデータコンバートが今後の重要な課題になってきます。
確かに、3Dデータコンバートはかなり面倒な部分です。これまでの経験上、自動化された連動性を追求し過ぎると、間違いなく破綻します。そこで第一回目として、CG制作側から見たデータコンバート、つまりBIMソフトとの連動性を無視した、一回限りの3ds Maxへのインポートについてお話します。
第4回:リニアワークフローについて<その4>
今回でLWFの話は最後です。前回までに、ガンマの考え方、ワークフローの組み方、そして3ds Maxでの具体的な設定について解説しました。前回のボリュームはかなり大きくなってしまいましたが、3ds Maxに関する部分は一気に説明しておかないと、私を含めてフラストレーションが溜まる人がいると思われたのでギッシリ詰め込みました。
今回はLWFについての補足と、現在では多くのユーザーを抱えるVrayでの注意点の解説を進めたいと思います。また、前回に習ってガンマGとgを区別して表記します。
シミュレーションと絵作り
LWFの大きなメリットは、ライティングによる光の処理です。
LWF環境で、サンライト、スカイライト、フォトメトリックライトなど物理的で現実に即した光の特性を持つものをライティングで使用した場合、シミュレーションとしての結果が期待できます。
もうひとつ大事なことは、このようなライトを使用した場合、露出補正が必須であるということです。
mental rayの場合は[mrフォトグラフィック露出制御]を用いるのが良いでしょう。これは、実際のカメラと同じように露出補正を行います。そのため、シャッタースピード、絞り、フィルム感度などのカメラの知識が必要になりますが、それほど難しいことではありません。この露出補正の考え方も、LWFを用いたシミュレーションという側面を支えています。
さてここからは、内観を例に私の事務所での一般的な作業フローを説明します。
モデリングと質感設定の後、照明器具のプロット情報に従って、想定される明るさを設定したライトを配置し、外光が影響を与えるようなシーンではサンライトとスカイライトを設定します。実際にそのシーンをカメラで撮影することを考えながら露出補正を行いレンダリングすると、この段階ではシミュレーション的な画像が出来るので、そのままサンプルとしてクライアントに送ります。
微調整を行う程度でそのまま進められる場合もありますが、通常は「ちょっと暗いかなぁ」、「もうちょっとカッコ良く」などという要望と、ダウンライトの追加、開口の修正、床材や壁材の見直しなどの設計変更の情報が送られてきます。それらの変更を反映しても、まだ要求するイメージにマッチしない場合、こちらは絵作りとしてマテリアルの修正やライトの追加、天井のマスクを切ってPhotoshopで明るくしたりという作業を行います。必ずしも、物理的に正しい設定をしたシミュレーション的な画像がリアルではなく、制作者とクライアント、双方のイメージの共有が大切ですね。LWFを用いれば、厳密に正確かどうかはともかく、多分実際はこうなんだろうなという「心のよりどころ」を最初に持つことが出来るので、その後の絵作りが楽になると思います。
第3回:リニアワークフローについて<その3>
さて、いよいよ具体的な設定方法です。3ds Maxについては一般的に使用できることを前提としているので、細かい説明は省略させてください。
ディスプレイのキャリブレーション
まず、ディスプレイのキャリブレーションを行います。今回の目標値は、白色点6500K、ガンマ2.2で進めることにします。また、その方法は機械に任せるか自分の目で行うかの2つに分けられ、さらにディスプレイ本体についてもカラーマネージメントが可能なものを使用することにより、より良好な環境が整えられます。キャリブレーションについては、白色点、環境光についてなど、まじめに説明すると大変長くなってしまうので、ここでは簡潔に方法だけ提示しておきます。
1.ハードウェアキャリブレーション
ハードウェアキャリブレーションツールを持っている人は、それらを使用してください。この方法がもっとも望ましいので、持ってない人は購入を検討するのも良いでしょう。
2.目視による調整
フリーのツールを用いたり、ディスプレイの調整メニューだけでも可能です。「ガンマ設定」などでWeb検索してください。見た目に頼っているので精度は落ちますが、行わないよりは良好な状態です。
3ds Maxの設定
ディスプレイのキャリブレーションが終わったら、ようやく3ds Maxの登場です。では、まずガンマを2.2に設定しましょう。[カスタマイズ]/[基本設定]の[ガンマとLUT]タブを選択し図のように設定してください。
これで、終わりです。あっけないですね。でも内容をきちんと確認しましょう。
第2回:リニアワークフローについて<その2>
いろいろなワークフロー
世の中には人それぞれのワークフローがあります。長くCGの仕事をしていると、独自のものが染み付いているのでなかなか変えることができませんよね。そうであったとしても、とりあえず3つのワークフローを考えてみましょう。
1.3ds Maxでガンマを考慮していないワークフロー

3ds Maxのガンマ設定を行っていない、さらにディスプレイのキャリブレーションもしていない場合、一般的にこのようになります。特に、キャリブレーションを行っていないことは3ds Maxに限らず大きな問題ですね。
さて、元々3ds Maxでの作業は、内部的にリニアスペースで行われるようになっています。結果的には、このワークフロー自体(キャリブレーションを行っていれば)それほど問題ではないんです。ただ、レンダリング画像やマテリアルのプレビューをガンマ1.0のままディスプレイに送っているので、中間値が暗い状態で作業しているという点が気になります。
しかし、それを補完するためにライティングでバランスを取っているので、結果として満足のいく成果品ができているというのがこのワークフローです。
つまり、敢えてリニアワークフローを取り入れる必要は無いかもしれません。ワークフローを切り替えるのは結構大変で、特に目が慣れるのに時間が掛かります。この状況で満足できる絵を作っているということは、3ds Maxでの作業中に脳内ガンマ補正を無意識に行っている可能性がありますが、その状況からリニアワークフローに切り替えると、もの凄く違和感があります。(私も経験済みです)
第1回:リニアワークフローについて<その1>

今回から暫くコラムを書かせていただくことになったフィールドジャムの林田豪元(はやしだひでゆき)と申します。建築系のCG制作をおもな仕事としています。ここでは3ds Maxのテクニックだけではなく、デザインビジュアライゼーションを進める上で、知っておくと便利なことをいろいろな角度から取り上げてみたいと思います。最初は、耳にしたことがあるかもしれませんがリニアワークフローというものについて、数回に分けて取り上げていきます。
ガンマについて
まずは、少し目を細めながら次の画像を見てください。LCDの場合は見る角度によって異なるので、なるべく正対して見ましょう。周囲のグレー部分にもっとも馴染んでいるものが、ディスプレイのガンマ値です(大体です)。ガンマって何?良くわかんないし面倒なんだよねという人、損はさせないので少しの間お付き合いください。

ガンマとは、入力情報と出力情報のバランスのことです。言葉では解りにくいので図が必要ですね。

表示するディスプレイのガンマ値が1.0の場合、このようになります。ガンマ1.0の環境をリニアスペースと呼び、入力された情報はそのまま出力されます。確かに理想的ですが、ありえません。なぜならば通常は次のようになっているからです。

はっきりと暗いんです。ガンマ値を2.2にしたのは、Windows環境のディスプレイは2.2が多いためです。ガンマ値が1.0を超えると、そのカーブが下向きに膨らみます。ディスプレイに限っていえば、必ずこのような変換が行われて表示されます。この場合、最大値と最小値は変わらないけど中間値がぐっと押さえられているので、大きな問題です。

そこで、あらかじめ明るくしたデータをディスプレイに送り込んで、相殺させてリニアスペースで表示するということを行います。こうすると、作成した画像の情報をそのまま表示できることになります。理屈は単純ですが、なんだか、やっぱり面倒ですね。