冨田和弘が斬る!建築ビジュアライゼーション業界のコラム一覧

冨田和弘が斬る!建築ビジュアライゼーション業界

第10回:3ds MAXは難しいソフトなのか?

前回まで海外に目を向けた建築ビジュアライゼーションのマクロな話をしてきましたが、今回は建築パースのレンダラーとして「3ds Maxは難しいソフトなのか?」と本質的なミクロな話題に立ち返ります。

本コラムの読者の多くの方はレンダラーとしてMaxをお使いと思いますし、使い手と表現できる方が多いと思いますが、中にはMaxの初心者だったり、今はMaxを使ってないけどいずれは使ってみたいと思っている人もいると思います。中には使ってみたけど難しくて挫折してしまったという方もいるようです。初心者の方で勉強はしているけど難しいと感じている方、結構使っているが表現的に壁にぶつかっている方、はたまた挫折した方などはMaxを難しいと感じているようですが、実際はどうなのでしょうか。

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第9回:海外の建築ビジュアライゼーション事情 その2

前回のコラムで海外の建築ビジュアライゼーション事情、とりわけお隣の中国のお話しをしました。圧倒的な人員と価格でせまるアジア諸国のCG事務所に対して私たちが今考えるべき事は何か。私が関わりの深い中国のCGを例として、この辺りを今回の題材にしたいと思います。

前回は中国CGの良い面を挙げましたが、長く付き合ってくるとネガティブな部分も見えてくるようになります。このネガティブな部分(ネガティブに見える部分)を題材にして、私たち日本の建築ビジュアライゼーション制作者が何を考え、どの様な行動を起こすべきかを考えてみたいと思います。


価格について

価格的な魅力は薄れつつあります。これは中国の価格が高騰した訳でなく、悲しいかな日本のCG制作に関する価格が下がった事が要因です。勿論、味をしめた中国のCGプロダクションが価格を引き上げてきたという事はありますが、それ以上に日本の価格が落ち込んでしまっています。

価格に関してのアドバンテージが無くなっている事は良い事ではありますが、痛し痒しといったところです。日本の建築CGの制作状況からいえばパースの価格の殆どは人件費です。設備投資は大した比率になりません。日本が世界でも有数の人件費が高騰している国である事から考えれば、中国と価格が変わらないといういう事は別の意味で異常事態です。
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第8回:海外の建築ビジュアライゼーション事情

年も明け1ヶ月が過ぎてしまいました。遅くなりましたが、皆様、明けましておめでとうございます。
本年も引き続き本コラムを宜しくお願いいたします。


さて本題です。みなさんは海外の建築ビジュアライゼーションの実情をどの程度知ってますか?ネットに掲載されるコンテストのCGや、もっと身近では中国の話なんかを見聞きされてるんじゃないかと思います。それらを見聞きされてどの様に感じていますか?
技術的なレベルの高さを感じて身を引き締めていますか?「大した事無いな!」と自信を深めてますか?「ほー、海外の連中はすごいなー」と、一傍観者の立場で見てますか?自身の業務に直接影響することとして肌に感じている人はいますか?

私はというと自身の業務に直結する身近な問題として捕らえ、業務上上手く付き合えないかと考えたりしています。
大成建設時代に遡れば、その付き合い方をずっと模索してきたと言えます。これまで海外(特に中国)の建築CGがあまり自身の仕事に影響が無かった方は、今後のワールドワイドでの建築ビジュアライゼーションの動向を頭に描きながら今回は読み物として楽しんで下さい。影響の有った方は今後の海外CGとの付き合い方を考えながら読んでみて下さい。という訳で、今回はこれまでと若干趣向を変えて海外の建築ビジュアライゼーションの様子を私がお話しできる範囲でお話ししたいと思います。


海外というと何処を想像しますか?

海外と言っても範囲は広くそれぞれのお国柄で趣が異なりますが、みなさんは海外の建築CGというと何処が頭に浮かびますか?アメリカ?ヨーロッパ?それとも近隣のアジア諸国?北米やヨーロッパの事情で言えばリアル系のパースが幅をきかせてきているようです。

海外のサイトでのコンテスト等を見ても明らかですし、知り合いからそのような話も聞いています。特にコンテスト等で見られる物は自然物(樹木、芝等)もフル3DCGでやっているんだろうなと思わせる物が多くあって、これを業務のフィニッシュワークに用いることが出来ているとしたら凄いことだと思います。

私が肌で知っている海外事情というとインターナショナルな設計コンペになりますが、コンペの世界では様子が違います。リアル系では無く私が再三お話ししているコンセプト系の表現が大多数を占めるようになります。つい先日、インターナショナルコンペ(中東に計画されるInterContinental Hotel)にD4m設計さんと共にチャレンジしました(共同設計の名の下に参加しているので、私の建築家デビューです(笑))。結果は見事玉砕しましたが、HPで公開されたSecond PrizeとThird PrizeのCGから海外のコンペにおける建築ビジュアライゼーション事情を垣間見ることが出来ました。
このコンペ参戦記は次回に譲るとして、今回の中心はアジアの建築CG事情です。

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第7回:これからの建築ビジュアライゼーション(その2)

前回に引き続き、「これからの建築ビジュアライゼーション」のその2として、ビジュアライゼーションに求められる変化についてお話しをしたいと思います。

前回BIMというキーワードを提示しておきましたが、「Change」という言葉でお話しした宿題の回答は出ましたか?本コラムのVol.1Vol.2辺りが参考になったかも知れませんがいかがでしたでしょうか。これから私が最近の業界動向や業務から感じ取っている回答もどきを順序立ててお話ししたいと思います。


3D CAD(BIM)を導入し始めた設計者の変化

建築ビジュアライゼーションの世界に身を置いていても、BIMという言葉やその内容に関しては、「知っている」又は「耳にしている」人が大半だと思います。もしBIMという言葉にピンと来ない人がいたら、今後は自分の業務の範疇内の言葉として、その内容と今後の動向は必ずチェックして下さい。BIMを理解しているか否かは、今後の建築ビジュアライゼーション業界で生きていけるか否かの死活問題となりますので心してBIMに取り組んで下さい。

ちょっと横道に逸れてしまいましたが、ここからが本題。これまではBIM(正確には3D CAD)によって建築ビジュアライゼーションの世界が変わるというお話しをしてきたと思いますが、実はBIMの渦中にいる設計者自身のビジュアライゼーションに対する発想が少し変わってきています。

設計者の発想する端的なビジュアライゼーションとしてパースがありますが、これまではパース制作者に描かせるものだったのが、自分たちでも描けるものだという考えに変化しつつあります。この変化は至極当然で、BIMによって早い段階から3Dモデルが自動的に生成されるのですから、シェーディングレベルの簡単なパースであれば設計者でも無理なくおこせてしまいます。Revitに至ってはmental rayを使って一定品質レベルのレンダリングを簡便に実現してしまっています。これを知った設計者達は自分たちでパースを描くことに抵抗がなくなり、むしろ積極的にパースを描こうとする人たちも出てきています。更にはBIMを推奨する部隊が簡易アニメーションまで作って設計者をサポートしだしています。

この事は建築ビジュアライゼーションで生業を立てている者にとっては由々しき事態です!単純に業務量が減少してしまうことを意味しますから。更には前回お話ししたインハウス化がパース発注量の減少化を加速させています。この状況に対して他力本願で恐々として指を加えていても事態は好転しません。例え景気が回復したとしても好転するとは必ずしも言えない状況であることを前回お話ししました。しかし私は逆にこれをチャンスと捕らえています。勿論、正攻法でこの問題にぶつかっていっても太刀打ちは難しいでしょう。となればちょっと側面から問題を捕らえ直して、斜めからこの問題に取り組んでみたらどうなるでしょうか。

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第6回:これからの建築ビジュアライゼーション

建築ビジュアライゼーションを生業としている方に質問ですが、1年前と比べて仕事に変化が出てきていませんか。

どの様な答えが頭に巡りましたか?「仕事が少なくなった」「単価が安くなった」等が回答のトップを占めるのではないかと思われますが、もう少し子細に考えてみて下さい。

・仕事が減少していると感じるクライアントの業種は?
(ゼネンコン or 組織事務所 or 小規模事務所 or デベロッパー or 不動産...)
・どんなプロジェクトが減少しているか?(プロポーザル or コンペ or 広告...)
・どんな建物種別の仕事が減っているか?(事務所ビル or マンション or 住宅...)
・どの様な仕事の単価が下がってきているか?(上記の例全て)
・何故そのような状況に陥っているのか?


この辺を分析していくと建築ビジュアライゼーションの現状が垣間見え、それによってこれからどう進んで,どう変化していくのかが見えてくると思います。今回は最近の建設業界の動向を踏まえた上で私が感じているクライアントの業態変化とそれに伴うニーズの変化、更にはこれらの変化によってこれまでと変わっていく建築ビジュアライゼーションについてお話ししたいと思います。それではまず建築ビジュアライゼーション業務が活況を呈すか否かを占う建設業の動向をお話ししましょう。
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第5回:建築CGパースに求められるもの<その2>

前回は「建築CGパースに求められるもの」として、最初のステップであり大きな山場でもある初回打合せでの留意点をお話ししました。案外簡単に済ませてしまいがちな打合せがその後の制作にいかに影響が大きいかを理解していただけたんじゃないでしょうか。

今回は「建築CGパースに求められるもの 2」として,前回に引き続き制作段階で留意すべき点をお話ししたいと思います。


制作STEP

皆さんはパースを制作する際の手順というもをどの様にして身につけましたか。大体は自然に身についていると思いますが、その制作手順は狙い通りの建築パースを描くために自分なりに考え抜いたものだと自信を持って言えますか?案外学校で習った手順だったり、入った会社の制作手順が自分にとってのスタンダードになっていませんか。または他の人はどうしてるんだろう?と周囲の人に制作手順を聞いてみたりした事がありますか。

前回同様多くのクライアントを抱え、仕事も潤沢で修正等も少ない方は自分に合った制作スタイルが確立できていると思って間違いないので、この後の内容は軽く流し読みしてもらって結構です。このご時世、仕事が減ってきた、来ても値切られてしまうとお困りの方は以降の内容を参考にされるのも一考です。

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燕市市庁舎コンペ案
設計:ラウムアソシエイツ一級建築士事務所
さて私の制作手順は
1)モデリング
2)アングル決定
3)ライティング
4)質感設定&レンダリング
5)レタッチ
という流れで、3と4は行ったり来たりしながらレタッチまで持って行きます。ここまで読んで、ん?自分と同じ(大して変わらない)じゃないか!とお思いの方がいると思いますが、具体的に各STEPの中身をお話ししていくと、少しずつ皆さんとの違いが出てくるのではと思います。

前置きはこのくらいで各STEP毎の考え方をお話ししたいと思います。(レタッチは文章での説明が非常に難しいので割愛させていただきます)


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第4回:建築CGパースに求められるもの

今回は建築ビジュアライゼーションの成果品の中でも最もポピュラーなパースについてお話ししたいと思います。

皆さんはどういった考えで、どのような表現を、どんな制作手順でパースを描いていますか?また何に一番頭を悩ませますか?一番時間を割いている事は何ですか?
次々と問いかけをしてしまいましたが、大抵の人は半自動的(または全自動的?)にそれぞれのやり方でそれぞれの解答を持って制作しているんだと思います。
レンダリングテクニックに関しては皆さん勉強熱心なのでセミナーやネットで日々他の人の技術を学んでいるのではないかと思いますが、制作の考え方や手順などは案外自己流で済ませているのではないかと思います。パース制作によって自分が十分満足を得る対価を得ている人や、クライアントに引っ張りだこの人にとっては自己流で別に問題はありませんが、そうでは無い人は(そうで無いかも知れない人も)、たまには他人のやり方を覗いてみる事が自分にとって色々参考になる点があるかもしれません。
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しもきた克雪ドーム 設計:原広司+アトリエ・ファイ、大成建設
少々導入が長くなりましたが、参考にするかは別として私の制作プロセスとその時々に考えている事等をここでお話ししてみたいと思います。(ここでは一番制作がやっかいな、企画・計画-基本設計-実施設計フェーズでのコンペを含んだパース制作を取り上げます)
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第3回:建築ビジュアライゼーション業務に必要な知識

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建築:アクアマリン福島 設計:日本設計
出典 http://www.copro.net/freephoto/
建築ビジュアライゼーション業務に必要な知識というとどんな事を思い浮かべますか?

「モデリングの際に図面が読める」、「建築のディテールを理解している」、または「レンダリングの際に仕上げの表現がわかる」等々、CG制作者にとって色々思いつくものがあるかと思いますが、この問いの答えとして今回のコラムはCG制作から少し離れて建築寄りの話をしてみたいと思います。
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第2回:建築ビジュアライゼーションとBIM(Building Information Modeling)の関係

説明図1ここ数年、建築業界で何かと話題に事欠かないBIM(Building Information Modeling)という考え方(システム)がある。建築ビジュアライゼーションに関わる業務を行っている私とは直接的に関わりがなさそうな印象を持つBIMではあるが、面白い事に最近は私自身がBIM絡みで建築ビジュアライゼーションを語る場面が増えてきている。普段は建築パースやアニメーションを制作する事を主体として仕事をしている者にとって、BIMはあまり関係なさそうだという印象を抱きがちではあるが、いやいや実はビジュアライゼーション関係者も積極的にその潮流に乗って損は無しという思いがある。そこで今回はBIMが建築ビジュアライゼーションにもたらす影響や、逆に建築ビジュアライゼーションはBIMにどういう影響を与える事が出来るのかをお話して見ようと思う。

説明図2建築ビジュアライゼーションとBIMの関係を語る前に、まずBIMとは何ぞや?という疑問をお持ちの方もいると思うが、ここでBIMの解説をしていると文章が足りなくなってしまうほど奥が深いし、簡潔に話して誤解を招く事になってはBIMの普及に努めている方々にお叱りを受けかねないので、ここでは建築ビジュアライゼーション側から見たBIMの捕らえ方という切り口でお話したいと思う。


建築ビジュアライゼーション関係者から見たBIMの最大の特徴は、設計の上流から施工段階、更には竣工後に至るまでその中心に3Dモデルがある事だ。これまでパースやアニメーションを制作する際の多くは2DCAD図面から3Dモデルを起こしていたと思うが、このモデリング作業が曲者で図面の不整合ならまだしも、まだ確定していない図面から制作しなければならなかったりと、レンダリング作業に入る前にモデリングの正否の確認で煩雑なやり取りが発生していたし、更には締め切り間際の設計変更などもありレンダリング作業に大きな負担になっていた。


説明図3これがBIMによって設計側から確定に近いモデルを入手できるようになればこれは大きな変化だ。誤解を恐れずに書けばモデリング作業の煩雑なやり取りから開放されて絵作りに没頭でき、成果品のクオリティを1ランクも2ランクも上げる事が可能になる。これは設計者にも言えることで、これまではパースを制作するためにはモデリング→レンダリングの2工程のチェックをしなければならなかったが、レンダリング部分の表現のチェックだけに集中できるようになる。更には設計の早い段階から3Dモデルが存在する事により、これまではあまりビジュアライゼーションを活用していなかった(出来なかった)企画・計画レベルや施工段階での制作量が増大する可能性が高い。それはパースやアニメーションといった従来の制作物だけでなくリアルタイムレンダリングの制作をも普及させるポテンシャルがある。

説明図4ここまで読んで来てBIMの動向もチェックしているCGデザイナーやCGプロダクションの経営者からは「本当に仕事量が増えて上手くいくの?」という声が聞こえて来そうだ。その疑問の理由はBIMの導入効果の1つとしてコスト削減が謳われていて、Revitなどはフル機能ではないにしても簡便にメンタルレイが使用できるため設計者がパース制作を行えるようになり、それによってCGの外注費の削減に繋がっている等のメディアからの情報をキャッチしているからだと思う。

これらの情報に嘘は無いだろうと私は思っているが、建築業界全般の話にまではなっていないと考えている。確かに中小の設計事務所やゼネコンでは大きな会社に比べて社員数も非常にコンパクトだしコストの締め付けもより厳しいため可能な限り内作を勧めるのは道理で、BIMによってコスト削減できることは積極的に推進する事は間違いないからだ。ただこれは中小規模の会社に見られる例で、建築ビジュアライゼーション業務の発注総量から見た場合の割合は少ないだろう。


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第1回:建築ビジュアライゼーションにおける恒常的な問題点とは?

冨田和弘 氏建築ビジュアライゼーションを生業としている私にとって常に頭を悩ませる問題が1つある。それは、企画・設計に始まり施工を経て建物が竣工するまでの建築ワークフローに於いて、建築ビジュアライゼーションの重要性は建築関係者にどの程度認知されているかという点だ。

ビジュアライゼーション=可視化という切り口で業務を捕らえるとCGパースやアニメーションだけではなくシミュレーションやDTPなども含め広範囲にわたり、各々の場面での使用状況を鑑みると認知度は高そうに見える。私の経験からすればプレゼンテーションの場では建築パースやアニメーションは必須だった。

これらの点から考えれば重要度、認知度共に高そうに見えるが、私が問題と感じているのは、ビジュアライゼーションの成果品に対しての価格の設定が品質や表現力、表現手法などにあまりリンクせずに、例えばパース1枚○○円などの一律でどちらかといえば時間単価に近い設定をしている点だ。ビジュアライゼーションというからには、その表現力や表現手法に重きが置かれて然るべきであって、標準単価や時間単価的なものと比べて高い安いを議論するのは違うのではないかと思う。勿論この御時世においてコスト管理にシビアになるのは当然ではあるが、表現力が優れているものに対しても標準単価的な発想で査定されるのはおかしいのではないだろうか。

ここで冒頭の建築ビジュアライゼーションの重要性の認知度の話に戻るが、このような建築ビジュアライゼーションの状況だとビジュアライゼーションを使用するという意味では必須であっても、本来のビジュアライゼーションの目的である「分かりやすく、より良く物事を伝える事によって差別化を図る」という観点からは、コストベースで成果品を判断している事からも明らかなように重要度が高いとはあまり感じられない。勿論ビジュアライゼーションの重要性を十分認識している設計者(クライアント)は存在するが、その絶対数は多くない。何故今この話をしているかというと、昨年末からの経済危機に直面している最中で企業がもっともコストを圧縮しようとするのが、重要性があまり高くないと判断される業務であり、そういった意味で建築ビジュアライゼーション業務は経済危機と同様に危機に直面していると思っているからだ。

今は建築ビズの重要性を再認識させるチャンス・未来は明るい

 新年を迎えたばかりというのにネガティブな話からスタートしてしまったが、私自身は現在の経済状況を建築ビジュアライゼーションの重要性を再認識させるチャンスと捕らえている。不景気になってくると自ずと営業活動が増え、プロポーザル案件が増加し、設計や施工のコンペの競争の激化が予想される。受注競争の中では設計側の意図を施主に明確に伝えるツールとしてイメージによる伝達・共有=ビジュアライゼーションによるイメージの表現がこれまで以上に重要になってくる。更には他社との差別化を図る事が重要になり、この点でもビジュアルによるイメージの伝達は非常に有効な手段となる。

実際これらの事は以前から言われ続けてきた事であり本当にそうなるのか?という疑問は私自身にもあったが、この事に確信を持てたのは最近訪れた某大手設計事務所での会話からだった。不景気でもあり設計業務も減っているであろう事は大手設計事務所とはいえ避けられない現実だろうと思っていたのでCG制作の外注が多くあるのか疑問を抱きながら話を聞きに行ったのだが、先方の話だとCG制作の業務量が多いため内制だけでは手が回らず外注しているという事だった。

なるほど、さすが大手は実績と営業力でこの不景気の中でも仕事は余るほどあるのだと一人で納得していたが、設計業務は他聞に漏れず減少傾向にあるという。では何故CG制作が多いのかという私の問いに対する先方の答えは「だって今時図面だけでクライアントに説明することなんて無いでしょう。図面よりも絵で見せたほうが話が早いし」というものだった。更には受注活動のためにプロポーザル・コンペ等でCGパース・アニメーションの引き合いが多いとの事だった。CG制作現場の生の声が私の考えを肯定してくれたお陰で建築ビジュアライゼーションの前途は明るいと考えるに至った訳だ。

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