事例紹介

インハウスのデザイン部門の強みをフルに引きだす3ds Maxを活用して新しい販売促進手法にチャレンジ

株式会社ケンウッドデザイン
JEOL
株式会社ケンウッドデザイン
本社:東京都目黒区青葉台3-17-9
設立:1996年
代表者:中村光敏
資本金:3,000万円
事業概要:ケンウッド製オーディオ、無線機等のプロダクト、GUIデザイン
http://www.kenwooddesign.com/

 

3ds MaxによるCGの活用により、製品開発の非常に早い段階から新製品のビジュアルイメージを作れるようになりました。これにより、販促物や製品のパッケージに関して、「やりたくても出来なかった」いろいろなことが出来るようになったのは間違いありません。結果としてこのことは、マーケティングのあり方そのものにも大きな変化を生み出しはじめています。

株式会社ケンウッドデザイン
クリエイティブスタジオ
デザイナー
中村春久 氏

 

中村春久 氏
株式会社ケンウッドデザイン
クリエイティブスタジオ
デザイナー
中村春久 氏
3ds Maxがインハウス・デザイン部門の強みを引きだす

カーオーディオやカーナビゲーションなどのカーエレクトロニクス分野は、新製品開発が盛んな業界である。

各社とも最新のデジタル・ネットワーク技術やトレンドを取り入れながらごく短いサイクルで新製品を次々開発し、しのぎを削り合っている。しかしこの開発競争は課題も生み出した。たとえば新製品のプロモーション活動である。設計変更の連続で製品の完成のタイミングが後にズレて写真や映像が撮れず、販促ツールの制作が遅れて販促活動全体に影響してしまうケースも少なくないのだ。しかし、そんな中にあってAutodesk 3ds Maxで作るCGで、この危機的状況を打開し、新たな販売促進戦略の展開に結びつけようとしている企業がある。ホームオーディオ、カーオーディオ・ナビゲーションや無線通信機器メーカーのケンウッドだ。

「たとえばカーオーディオなどの新製品は、かなり早い時期からイベントなどでムービーを流します。特に海外ではインパクトのあるビジュアルへのニーズが強く、CGを取り入れたものを求められることも多いのです」と語るのは、ケンウッド製品に関するデザイン/ビジュアル制作を行っているケンウッドデザインの中村春久氏である。
「着手段階ではデザイン以外何も固まっておらず、実際CADデータもない状態でCG制作を始めることも珍しくありません。以前のよ うにモックアップ等を撮影する手法では不可能だったはずで、3ds Maxが可能にした販促活動といえるでしょう」。

中村氏らによるこの販促ムービーの制作フローは、インハウスのデザイン部門であることをフルに活かし、効率的かつローコストで高品質なムービーを作りあげているのが特徴だ。例年、制作は1月に開催される米国最大のトレードショー「CES」に照準を合せて進められる。つまり12月中旬の完成が目標となるが、他業務との兼ね合いもあり実質的に取り掛かれるのは11月頃だと言う。
「9、10月は情報とCADデータの収集ですね。CADデータだけでは色も素材も分からないので全て開発にヒアリングし直します。3ds Maxでの作業は11月頃。IGESから必要なデータを抽出整理して3ds Maxに読み込んでCG化し、アニメーションを付けて……。尺は2~3分ですが音楽も編集もすべて社内。それもごく少数のスタッフで作っています。モノ自体がないまま、各部門とやりとりしながらこの短期間で仕上げるのは、私たちのようなインハウスのデザイン部門でなければ難しかったでしょう」。


ずば抜けて豊富な情報&プラグイン 堅固な基盤の基での着実な進化
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設計データ(IGES)から必要なデータを抽出して3ds Maxに読み込み、マテリアルの設定やライティングを行っていく
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モックアップの仕上げが異なるため写真が撮れず、当初は茶色の段ボール箱のパッケージになる予定だったが、3ds Maxで作ったCG画像を採用し、フルカラーのパッケージに
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ODELICとのコラボレーションで話題を呼んだスピーカー製品のCGイメージ。CADデータを使わず「実物」を見ながらモデリングし、背景の実写と合成して仕上げている
4
撮影した写真では表現できないイメージもCGの独壇場である。スケルトン表現で製品の内部を分かりやすく示したホームオーディオ製品(U-K323)のイメージ

同社が3ds Maxを導入したのは2000年。3D CGをデザイン開発業務へ取り入れるためだった。

「なぜ3ds Maxを選んだかというと、当時の担当者が3ds Maxのセミナーで“すごい”と思ったから(笑)。でもその選択は正解だったと思いますよ。当時私は別のCGソフトを使っていましたが、初めて3ds Maxに触れた時は本当に驚きましたからね」。中村氏が驚いたのは使い勝手の良さや豊富な機能はもちろん、製品に関する情報量の多さだった。当時ほとんどのCG製品が解説書もなく情報を入手しにくかったのに、3ds Maxだけは膨大なノウハウを容易に入手できたのだ。

「ハウトゥー本に雑誌やWebの記事、またオートデスク提供のセミナーも豊富なんです。操作を学ぶ上でこれらは非常に重要なことで、実際私も実にスピーディに習得できました。またCGは単純作業の繰返しも多いですが、一括処理してくれるようなフリープラグインも豊富なのもとてもありがたい。もちろん3ds Max自体も、オートデスクという母体がしっかりしているので毎年着実に進化し、時代に応えた機能を充実させ続けていますし……ユーザが多いのは当然でしょうね」。

こうして導入した3ds Maxを核に、中村氏らはイベント用ムービーの制作などCGによるビジュアライゼーションの活用を開始。数年も経たないうちに、それは同社の海外における重要な販促ツールの一つとなった。前述の販促ムービーはもちろん、カーオーディオなど製品の画面に流すデモムービーやGUIへいち早く応用され、さらにレンダリングクオリティの飛躍的向上と共に静止画CGの活用も徐々に広がり始めている。

「カタログに使う製品写真も、従来は正面から撮った切り抜きカット風が主体で、極端に横に振ったアングルや劇的なライティングを施したものなどはなかったんです。そこで3ds Maxでそういう表現の静止画を提案したところ“使おう”ということになりました」。つまり技術的に、あるいは時間不足で撮影で対応できない場合の製品イメージなどで、CGの強みが認められたのである。その強みを特に発揮したのがパッケージデザインだ。

「ある製品で、時間的な問題から写真が撮れず、茶色い段ボールのパッケージになりそうになったケースがあったんです。そこで3ds Maxで作ったCGを提案したところ、たいへん気に入っていただき、そのCGを使ったカラーパッケージになりました。静止画の活用はまだこれからですが、ムービーともども社内のニーズは確実に広がりつつある――まさにそんな実感がありますね」。


【導入製品/ソリューション】

【導入目的】
  • CGアニメーション制作
  • 3Dイメージ制作の品質向上
  • 3Dイメージ制作の作業効率化

【導入ポイント】
  • 操作ノウハウなど情報が豊富で短期間で習得可能
  • フリープラグインが豊富で環境を整備しやすい
  • ニーズに応えて着実にバージョンアップを続けていること

【導入効果】
  • ムービーなど新しい販促ツールのニーズに対応
  • 各種販促ツールの制作期間短縮・コストダウン
  • より多様で質の高いビジュアル表現の実現

【今後の課題】
  • 販促ツールに関するより多彩なニーズへ対応
  • パッケージ、GUIなど多彩な用途へのCG活用
  • グループ内でのCGを活用した制作・活用フローの確立

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